久保史緒里:初大河「どうする家康」五徳役で得たもの 「泣きそうなくらいうれしかった」松本潤の気遣い

 松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)に出演中の久保史緒里さん。アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして知られ、役者としてドラマや映画、舞台にと活躍する久保さんは、「どうする家康」が初の大河ドラマで、家康(松本さん)の嫡男・信康(細田佳央太さん)のもとに嫁いだ、信長(岡田准一さん)の娘・五徳を演じている。6月25日放送の第24回「築山へ集え!」では、夫の信康についていくことを決意する姿が描かれた。織田、徳川の両家の間で揺れ動いた彼女の心情を劇中で見事に体現した久保さんに話を聞いた。  ◇五徳の心の奥底にある「優しさ」意識  父・信長やその妹・市(北川景子さん)に似て気品にあふれ、気の強い五徳だが、久保さんが演じるにあたって意識したのは、五徳の心の奥底にある「優しさ」だった。  「資料では、築山殿(瀬名、有村架純さん)や信康様との関係性はあまりいいとはされていない五徳ですが、演出陣やプロデューサーさんから『五徳という人物は、きっと優しい方だったと思うんです』というお話をいただいたんです。飲み込むまで時間がかかったのですが、現場に入って、徳川家の方々と会話を交わしていく中で、五徳の優しさが浮き彫りになっていったというか。“信長の娘”としてのプライドもあるので、その優しさが表立って分かる感じにはなっていないかもしれないのですが、優しさは常に持っておくようにしました」  一方で、「徳川家の皆さんの中に、織田方から一人入っていることで、ちょっと空気の違う、異質さみたいなものが出せたらいいなと思っていた」とも話す久保さん。そんな久保さんの言葉通り、五徳は信長から「徳川家の連中を見張れ」と命じられ、武田の人間と通じている瀬名を密告する手紙を信長に送るなど、徳川よりも織田寄りと思われていた。  しかし、第24回では、奪い合うのではなく与え合う、慈愛の心で結びついた“大きな国”を東国に作り上げるという、瀬名の“壮大なはかりごと”を聞いた上で、信康についていくと意思表示し、視聴者を驚かせた。  「徳川家に来たばかりの五徳は、信長の娘としてのプライドを強く持っていたと思うのですが、徳川家の皆さんと過ごすうち、“信康様の妻である”というプライドも、同じくくらい強く持ち合わせるようになったと思うんです。途中、『徳川家の連中を見張れ』と信長に言われ、織田側に気持ちが寄ったりしたのですが、その“ゆらぎ”が大きい中、徳川家の皆さんの家族の在り方や家族の形にすごく憧れを抱いてしまったと思っていて。その中で身ごもって、家族ができるとなったとき、いろいろなプライドはあれど、自分の家族を守りたい気持ちがすごく強くなって、決意が固まったのかなと思います」  同シーンを撮り終え、五徳の“ある心情”にも気づかされという久保さん。  「徳川家の皆さんの家族の形に憧れを抱いていた五徳は、ずっとさみしい思いをしていたのかもしれないなって、カットがかかったときに改めて気付きました」  ◇初の大河ドラマで得た“すごく大きな財産”  初の大河ドラマで、重要な役どころを経験した久保さんは、今、何を思うのか。  「史料だけ見ると、五徳はどうしてこういった行動に出てしまったんだろうと、視聴者の皆さんと同じように疑問に思うことがすごく多かったのですが……。古沢さんが書かれた脚本は、読むたびに新しい解釈があって、実は五徳は優しい人物だったのかもしれないというプロデューサーさんの言葉もすっと自分の中で腑(ふ)に落ちて。自分が当初、考えていたより、五徳はずっとずっと人間味があって、他者を思いやれる人物だったと思えましたし、それは共演者の皆さんやスタッフさんに引き出してもらった感情だったので、自分の中だけでは出てこなかったものを、現場の皆さんに引き出していただく感覚というのはすごく大きな財産になりました。感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです」   また現場では、家康役の松本さんから「お芝居のトーンがすごくすてきですね」との言葉をかけてもらったという久保さん。さらに「泣きそうなくらいうれしかった」出来事も……。  「殿(家康役の松本さん)が『家族写真を撮ろう』と誘ってくださって。お芝居とは関係のないところでの記念撮影ではあったのですが、私、家族に入っていいのかなっていう気持ちがすごくあったんです。でも、皆さんが私を真ん中に入れてくださって。信康様と瀬名さん、亀姫(當真あみさん)と一緒に写真を撮ったとき、改めて徳川家の皆さんがすごく大好きだなって思えて、泣きそうなくらいうれしかったです」
Source: pcci2
久保史緒里:初大河「どうする家康」五徳役で得たもの 「泣きそうなくらいうれしかった」松本潤の気遣い