男「いけっ! やれっ!」
ザシュッ! ズバッ! ザンッ!
俺はあるゲームをプレイしていた。
勇者を操作し、剣で敵を倒していくアクションゲーム。
勇者の目的は“どんな願いも叶うという聖地を目指す”というもの。まあストーリーはあってないようなものだ。
既にネットでうっかりエンディングのネタバレを見てしまったが、さしてダメージはなかった。
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ザシュッ!
男「ん、新しいザコ敵だ。女のザコもいるんだな」
男「……ん?」
男(この子可愛くね? 俺の好みにドンピシャなデザインしてるんだけど!)
グアッ! グアッ! グアッ!
男(あ、やべ、そうこうしてるうちに攻撃されまくって勇者のHPが……)
GAME OVER
男「なにやってんだ、俺は……。密かにゲームオーバーにならずクリア目指してたのに」
男「こっちから攻撃だ!」
ズバッ! キャッ!
男「あ、悲鳴……。そりゃ上げるに決まってるか。敵の声もフルボイスだし」
男(所詮ザコだし何回か斬れば倒せるはず……)
男(なのに斬れない! こんな可愛い子、斬れるわけがない!)
GAME OVER
男「アホか、俺は……詰まる場所じゃねえだろ」
男(心を鬼にして――)
グアッ! グアッ! グアッ!
男(ダメだ、攻撃できない! サンドバッグにされる!)
グアッ! グアッ! グアッ!
GAME OVER
男「また死んだ……」
GAME OVER
GAME OVER
GAME OVER
……
……
惚れた弱み(?)というのは恐ろしいもので、俺は何度となく女ザコに勇者を殺された。
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GAME OVER
男「うへえ、また死んだ~!」
いっそもうゲーム自体やめた方がいいと思うのだが、女ザコ見たさについついプレイしてしまうのだ。
男「やっぱ可愛い~」
GAME OVER
そして死にまくった。
難しさでゲームが詰んだ経験はあったが、こんなことは初めてだった。
男(ゲームで女ザコに会うだけじゃ満足できなくなってきた……)
男(それなりにプレイヤーのいるゲームだし、あんな可愛いんだもん! 絶対絵を描いてる奴がいるはず!)
男(人気イラストサイト≪ベクシブ≫で検索!)カタカタ
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男「ないのかよ!?」
男(マジかよ。普通一件ぐらいありそうなのに、一人もいないとは……)
男(同じゲームの……たとえば途中で出てくる女の子や女幹部はいくらでもイラストあるのに!)
スレッド『○○ってゲームに出てくる女ザコ可愛いよな』
男「……」
男「1レスもつかずに落ちた!」
男(いっそSNSで同志を探そう……)
男「……」
男「一人も見つからねえ!」
俺の心境を喩えるなら、広大な砂漠でありもしないオアシスを求め彷徨う旅人、といったところか。
男「しかも、マジ惚れだよ、マジ惚れ」
男「生身の人間だって、こんなに好きになったことないのに……」
男「ううう……」
男「寝よう……」ゴロン
男(ああ……女ザコに会いたいよう……)
…………
……
男「……むにゃ?」
「ほら早く」
男「だ、誰だ……」
女ザコ「おはよう」
男「んん!?」
俺は一人暮らしで、誰かに起こされるなどありえない。
もし誰かに起こされたら、真っ先に逃げるなり叫ぶなりするべきなのだが、俺はすぐ分かった。
目の前にいるのは、あの「女ザコ」だと。
男「いでえ!」
女ザコ「なにをしてるんだ?」
男「あ、いや……」
男(夢じゃない……。俺が惚れて、あんなに会いたがってた女ザコが現実に……!)
男「どうしてここに?」
女ザコ「何をいってる。お前が呼び出したんじゃないか。私に会いたいって」
男「呼び出したって……」
女ザコ「私はゲームの住民だが、お前からの念が凄まじくて、こっちの世界に来てしまったのだ」
男「あ、そうだったんだ」
女ザコ「なんだ?」
男「俺の想いが通じて君を呼び出せた。ここまではいい。だけどこんなことが本当に起こるなんて……」
男「これが成立するなら、世界中で同じようなことが起きてなきゃおかしいんじゃ……」
女ザコ「おそらくそれはこういうことではないか?」
男「?」
女ザコ「例えば、他のキャラは複数の人間に想われている。その中の誰かだけのところに行くことはできない」
女ザコ「しかし、私のことを想ってくれたのは、世界中でお前ただ一人だけだった」
女ザコ「だから、呼び出されることができたのだ」
男「君が超マイナーキャラだったから呼び出せたってことか」
女ザコ「そういうことだな」
男(少し複雑だが、今この時ほどマイナーキャラ好きでよかったと思ったことはない)
男「最高だぁ!」バッ
女ザコ「気安くさわるな」バシッ
男「はぐぅ!」
女ザコ「呼び出されはしたが、好きなようにさせてやるとはいってない」
男「す、すんません……」
男「じゃあ、眺めてもいいですか」
女ザコ「それぐらいならいくらでも」
男「……」
男(ああ、美しい……。ゲームキャラから実在の人物になったのに、その違和感が全くない……)
女ザコ「ああ、食べる」
男「じゃあ、パンでも……」
女ザコ「……」パクッ
女ザコ「うん、おいしい」
男「ホント、よかった!」
女ザコ「もっと食べたい」
男「いいよ、食べさせてあげる」
1001: 思考ちゃんねる
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Source: mindhack
男「ゲームの女ザコにマジ惚れしちゃった……どうしよう」