【感動】妻「浮気したら……呪うからね」夫「す、するわけないだろ!」

トレンド
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1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:01:49.356

妻「はい、お弁当……」

夫「ありがとう」

妻「浮気したら……呪うからね」

夫「え」

妻「私自身を……。呪って呪って呪って……塵芥(ちりあくた)も残さない……」

夫「す、するわけないだろ! 自分を呪っちゃダメだよ! 行ってきまーす!」

妻「行ってらっしゃい……うふふふ……」

2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:02:55.764

夫(男なら浮気じゃないよな…?)
3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:05:07.825

指輪にお互いの誕生日時掘ろう
4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:05:59.980

妻「さぁて、お洗濯しないとねえ……」

妻「洗濯機にお洋服を入れまして……」

妻「自作の洗剤を入れまして……」パッパッ

グツグツ… ボコボコ…

妻「ぐ~るぐる、ぐ~るぐる、ぐ~るぐる、ぐ~るぐる、ぐ~るぐる、ぐ~るぐる……」

妻「この渦……いつまでも見てられる……」

妻「うん……キレイになった」ニッコリ

5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:08:11.803

買い物に出かける。

妻「あら」

黒猫「ニャーン」タタタッ

妻「黒猫が横切った……幸先いい……うふふふ」

主婦「あら奥さん、おはよう。相変わらず全身黒ずくめね」

妻「黒が……一番落ちつくから」

主婦「たしかにしっとりしててよく似合ってるわ」

妻「うふふふ……ありがとう」

6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:11:17.815

店主「いらっしゃぁい!」

妻「こんにちは……」

店主「今日はいい牛肉仕入れてるよ!」

妻「じゃあ牛を……200グラム」

妻「それと豚を……400グラム」

店主「毎度ぉ!」

店主(この注文の仕方、最初は面食らったけど今ではすっかり慣れちまった)

7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:14:28.412

―会社―

同僚「お、愛妻弁当か」

夫「ああ」

同僚「うおお……相変わらず真っ黒な弁当箱だな」

後輩女「ホントですね。お葬式の棺みたい!」

夫「ちなみに開けると……」パカッ

モワァァァァ…

なにやら煙が出てくる。

同僚「なんだこれ!?」

夫「演出としてドライアイスでも仕込んでくれてるんだろう」

同僚「凝りすぎだろ!」

8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:15:35.414

メンヘラこわひ
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:17:21.400

同僚「で、肝心の中身は――」

ドヨーン…

夫「この通り」

同僚「く、黒い……!」

後輩女「やだ~! 超ブラックじゃないですか~! 光まで吸収しそう!」

夫「この世にここまで黒い弁当も他にないだろうな」

10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:19:02.972

光を吸収はすごい

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11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:20:43.685

同僚「……こんなの食べて大丈夫なのか?」

後輩女「絶対体に悪いですよ! やめた方がいいです!」

夫「いや、黒いだけで味はいいんだよ」モグッ

夫「体もさ、健康診断は全ていい数値だったし」

同僚「一口いいか?」

夫「どうぞ」

同僚「……ホントだ、うまい! どういう仕組みなんだよ!?」

夫「きっと研究に研究を重ねた結果だろうな……」

同僚「遠い目をしてしみじみ語るなよ」

12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:23:37.508

同僚「奥さんとは一度会ったけど……相変わらず黒ずくめのコーディネイトなのか?」

夫「ああ、黒いよ」

同僚「前々から思ってたんだけど……お前の奥さん、ひょっとして“魔女”なんじゃねえの?」

夫「魔女?」

同僚「奥さんとはたしか大学で知り合ったんだろ?」

夫「ああ、二人とも≪魔法サークル≫に入っててさ」

後輩女「なんですか、それぇ?」

夫「中世近世における魔女だとか魔法だとかを研究するサークルだよ」

後輩女「コワ~イ。生贄の儀式とかやってたんですか?」

夫「いやいや、そんな怪しいサークルじゃないよ。歴史研究サークルみたいなもんだったし」

13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:26:07.510

同僚「だけど奥さん、その頃から結構変わってたんだろ?」

夫「変わってるというか……今みたいな感じではあったよ」

同僚「ほらぁ、やっぱり魔女なんだよ!」

後輩女「絶対そうですよ! 奥様は魔女ってやつです!」

夫「そんなことないってー」

…………

……

14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:30:15.219

―自宅―

夫「ただいま」

妻「お帰りなさい……今お料理してる。いい材料が手に入ったから……」

グツグツ… ボコボコ… ドロドロ…

鍋に紫色の汁が出来上がっている。

妻「はい……どうぞ」ゴポ…

夫「い、いただきます」グビッ

夫「うまい!」

夫(こんな色なのにどうしてうまいんだろう……謎だ)

15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:33:17.188

夫「んん……」コキッ

妻「どうしたの?」

夫「首がこって……今日はずっとパソコンに向かってたから」

妻「じゃあ……首絞めてあげる」

夫「え」

ギュッ…

甘く首を絞める。

妻「どう……?」ギュッギュッギュッ

夫「う……ぐ……き、気持ちいいっ!」

妻「もっともっと……首の筋肉をこの五指で……」ギュギュギュッ

夫「もっと絞めてぇぇぇ!」

17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:36:20.060

バランスが取れている
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:37:12.083

TV『お父さん、あたし絶対有名になるからね!』

TV『頑張れ! 応援してるからな!』

妻「ぐふぅぅ……泣ける」

夫(あーあ、ボロ泣きしてる)

夫(妻はいつも黒い服を着て、毒々しい色の料理を作り、雰囲気も異様だけど……)

夫(俺にとってはとても素晴らしい妻だ)

夫(絶対魔女なんかじゃない……)

19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:40:12.933

―会社―

課長「ちょっと来て」

後輩女「はーい」

課長「なんだねこれは? ひどい出来栄えじゃないか」

後輩女「え、ですが、ちゃんと課長のいうとおりに……」

課長「どこがだね! ええ? ミスを人のせいにしちゃいかんよ!」

後輩女「でも……」

夫「…………」

20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:43:24.929

夫「課長。彼女はたしかに課長のいうとおりやりましたよ」

課長「え?」

夫「ほら、課長のメールも残ってます。こっちにも送られてきてたんで」

課長「あ……!」

課長「す、すまなかった。私の指示がおかしかったようだ」

後輩女「いえ……」

後輩女「ありがとうございました! 助かりましたっ!」

夫「いやいや、悪いのは課長だったんだから」

21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:46:14.212

―町―

妻(今日の買い物、終わり……。いつも通らない道を通ろうかな……)

妻(幽霊に出会えたりして……)

妻「あら?」

不良「ちょっと金貸してくれよ」

中学生「も、持ってません……」

不良「じゃあ、ポケットに入ってるもん全部出せよ! 出さねえとパンチ入れっぞ!」

妻「…………」

22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:49:13.630

妻「あなた……」

不良「あ?」

妻「お金なら……あるけど」

不良「お、マジかよ? 恵んでくれよ」

妻「ただし……全部1円玉だけど」ジャラッ

不良「え……」

妻「これを……こうしてストッキングに入れると……」ジャラジャラ…

不良「ちょ、ちょっと……待っ……」

23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:52:18.637

妻「できた」

ヒュンッ! ヒュンヒュンッ!

まるでヌンチャクのように振り回す。

妻「恵んであげようか?」ヒュヒュヒュヒュヒュッ

不良「ひっ……!」

不良「た、助けてくれえっ!」タタタッ

妻「……大丈夫だった?」

中学生「あっ、ありがとうございます!」

妻「うふふ……気をつけて帰ってね」

24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:54:21.340

きになる
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:55:29.610

―自宅―

妻「あら……今日はご機嫌ね」

夫「分かる?」

妻「なぜ機嫌がいいのか……教えてもらえる?」

夫「後輩の女の子が理不尽に怒られてるところを助けたんだ」

妻「まあ……それはとてもいいことね」

夫「君こそ機嫌よさそうじゃないか」

妻「分かる? 私も……不良に絡まれてる男の子を助けたの」

妻「あの逃げていく不良の目……恐怖にまみれてたわ」

夫「いいことすると気持ちがいいね!」

妻「うん……。うふふふふ……」

26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:56:34.128

いい夫婦じゃないか
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 22:58:42.366

―会社―

後輩女「あれ? なんでこうなっちゃうのぉ? 分からない……!」モタモタ

夫「どうしたの?」

後輩女「データ入力やってたら、変な画面になっちゃいましてぇ……」

夫「ああ、これはきっとここをクリックしちゃったんだな」

夫「こうすれば……元通り!」カタカタッ

後輩女「ありがとうございます!」

夫「エンター押す時はちょっと強めに! ……なーんて」カタカタッターン

後輩女「やだ、先輩ったら!」

28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:01:18.528

後輩女「あたしったらいつもこうなんです」

後輩女「この前の課長との件も、あたしの作業が遅いから、ああなった部分もありますし……」

後輩女「事務職として雇われたのにパソコン苦手じゃ、話にならないですよね……」

夫「…………」

夫「よかったら、たまにパソコンを教えようか?」

後輩女「えっ、いいんですか!?」

夫「うん、悩んでる後輩を放ってはおけないしね」

後輩女「ありがとうございますぅ!」

29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:05:05.607

―自宅―

夫「ただいまー」

妻「お帰りなさい……」

妻「このところ……帰りが遅いけどどうしたの?」

夫「ああ、後輩の女の子がパソコンが苦手だって悩んでてね。ちょっと会社で教えてるんだ」

妻「そう……浮気じゃないよね?」

夫「まさか。浮気なわけあるもんか」

妻「なら……いいけど」

30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:07:32.537

夫「お風呂沸いてる?」

妻「ええ、今日は自作の入浴剤を入れてみたの……」

風呂に向かうと――

ドヨーン…

浴槽の湯は毒々しい紫色に染まっていた。

夫「実に……君らしいお風呂だね」

妻「うふふふふ……呪われし湯が五臓六腑を癒やしてくれるはず……」

31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:10:34.183

―会社―

夫「…………」

同僚「おーい」

夫「…………」

同僚「おーい!」

夫「な、なんだよ。大声で。普通に呼びかけてくれよ」

同僚「なにいってんだ。普通に呼びかけても反応しなかったじゃないか」

夫「あ、そうだったのか。……ごめん」

同僚「大丈夫かよ」

32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:13:30.810

同僚「なんかこのところ顔色よくないし、疲れが溜まってるんじゃないか?」

夫「そ、そうかな」

後輩女「そうですよ。一度お医者さんに診てもらった方がいいです!」

同僚「そうそう、それがいいって!」

夫「やだなぁ、大げさだよ。健康診断は問題なかったし」

同僚「いや、一度行った方がいいよ。自覚症状あるんならなおさらだ」

夫「うん……どこかで病院行ってみるか」

同僚「だったらいい病院紹介してやるよ。まだ若いけど、腕はいいってお医者をさ」

33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:16:26.762

―病院―

医者「どうも、名医です」

夫(自分でいうのか……)

医者「今日はどうされました?」

夫「最近ひどく疲れていて……」

医者「それはいけませんね。さっそく……精密検査しましょう!」

夫「お願いします」

医者「レッツ精密!」

夫(そこは『レッツ検査』じゃないのか?)

34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:19:15.186

医者「…………」

夫「どうでした?」

医者「特に……異常はなかったですねえ……。どういうことなんだ……」

夫「そうですか……」

医者「期待にそえず申し訳ない!」

夫「いえ、そんな……」

医者「とりあえずビタミン剤出しておきますから! とりビー!」

夫「とりあえずビールみたいにいわないで下さい」

35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:22:21.370

夫『おーい』

妻『…………』

夫『どうした、こっち向いてくれよ』ポンポン

妻『なぁに?』グルンッ

振り向いた顔は――

夫『わぁぁぁっ、化け物!』

夫「はぁ、はぁ、はぁ……夢か」

妻「…………」スースー…

夫「…………」

38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:25:16.709

―会社―

後輩女「すみません、今日もパソコン教えて下さい!」

夫「ああ、いいよ。今日はもう少し難しい内容を教えるよ」

夫「…………」クラッ

後輩女「だ、大丈夫ですか!?」

夫「ああ、すまない。大丈夫だよ……」

後輩女「…………」

後輩女「あのぉ、あまりこんなこといいたくないんですけど……」

39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:28:27.501

後輩女「奥さんってやっぱり魔女なんじゃないんですか?」

夫「なにをいってるんだ……?」

後輩女「あたし……ちょっと図書館で調べてみたんです。魔女のこと……」

夫「魔女……」

後輩女「そうしたら、魔女は知らず知らずのうちに男を誘惑して、自分に振り向かせて」

後輩女「最後には心も体も自分のものにしてしまう……そんなことが書かれてたんです。怖いでしょ?」

夫「え……」

後輩女「これ読んだ時、先輩のことが思い浮かんでしまって……」

41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:31:12.732

後輩女「きっと奥さんは魔女なんですよ」

後輩女「知らず知らず、先輩の体力を奪って……」

夫「そんなこと……ないって……」

後輩女「でも……!」

夫「いいから……。さ、今日はリストの作り方を教えるよ……」フラフラ

後輩女「はい……」

後輩女「何かあったら、あたしが先輩を守りますからね!」

夫「ハ、ハハ……ありがとう」

43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:34:38.781

―自宅―

夫「ただいま……」

妻「お帰りなさい……」

妻「ご飯……できてるわよ。私の怨念のこもったお料理が……」

ドロッ…

相変わらずの心のこもった毒々しい料理。

夫「…………」

夫「いや、今日はもう寝るよ……。ごめん……」

夫(体が重い……だるい……。一体どうしちゃったんだ……)

夫(ビタミン剤はちゃんと飲んでるのに……)パクッ

44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:36:20.247

―会社―

夫「今日も……パソコン教えるよ」

後輩女「はいっ、よろしくお願いします!」

夫「まず、ここは……」

夫「どう? 分かった?」

後輩女「とってもよく分かりましたぁ!」

夫「じゃあ、今日はこの辺で……」フラッ

後輩女「はいっ!」

45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:38:55.199

―自宅―

夫(やっと……家についた……)

妻「お帰りなさい……」

妻「あなた……どうしたの? ゾンビみたいにフラフラじゃない……」

夫「いや……大丈夫だよ。病院の検査じゃなんともなかったんだから……」

夫「おやすみ……」

妻「…………」

眠る夫を暗い目で睨みつける。

46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:42:05.029

―会社―

夫(頭がぼんやりする……)

夫(俺……どうしちゃったんだろう……。自分の体が自分の物じゃないみたいな……)

同僚「じゃ、俺先に帰るけど……お前も早く帰れよな」

夫「ああ、ありがとう……」

後輩女「先輩、今日もパソコン教えてもらっていいですかぁ?」

夫「もちろん、いいとも!」

47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:45:14.914

一時間ほどパソコンを教える。

後輩女「出来ました!」

夫「これで……このソフトはバッチリだね。きりがいいし今日は……ここまでにしよう」

後輩女「待って下さい!」

夫「ん……?」

後輩女「帰らないで下さいよ」

夫「だけど、妻が……」

後輩女「先輩、もう奥さんなんかどうでもいいじゃないですか」

夫「へ……?」

後輩女「あたしと……一緒になりましょうよ」

50: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:48:35.537

夫「なにをいってるんだ……?」

後輩女「この際、奥さんとは離婚しちゃいましょう」

夫「なにをバカなことを……」

後輩女「魔女を気取ってるふざけた奥さんに、先輩を旦那にする資格なんてありませんよ」

夫(反論したいが……頭が……)

後輩女「もう意識を保つのも難しいでしょ」クスッ

後輩女「その方がいいんです。あたしがあなたを幸せにしてあげます」

後輩女「さぁ……あたしの胸に飛び込んできて……」

夫「うう……」フラフラ

後輩女「そう、それでいいの。あなたはもう何も考えられない――」

51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:51:10.202

タタタタタッ

妻「あなたッ!」

後輩女「!」

妻「あなた……しっかりして……」

後輩女「あれ、もしかして奥さんですかぁ? なに会社まで来ちゃってるんですか。非常識ですねぇ」

妻「私の夫をどうしたの……!」

後輩女「ああ、この人ですか? この通り骨抜きにしてあげました」

夫「…………」ボケー

後輩女「夫の身を案じて、ここまで駆けつけたのは大したもんです」

後輩女「だけど一歩遅かったですね。もうあなたの声が届くことがありませんよ」

52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:53:44.937

妻「あなた……何者?」

後輩女「あたし? 奥さんもよくご存じのはず」

後輩女「あたしはね……魔女ですよ。正真正銘、本物のね」

妻「魔女……!」

後輩女「奥さん、噂にたがわず黒い服を着て魔女みたいな格好ですね」

後輩女「ですけど、本物の魔女はそんなあからさまに怪しい格好なんてしません」

後輩女「あたしみたいに……本性を隠してひっそりこっそり生きてくんです」

後輩女「魔女だとバレること、それは迫害につながりますからね」

妻「…………!」

妻はかつて研究していた魔女狩りの歴史を思い出す。

53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:56:18.619

妻「なら、なぜこんなことを……?」

後輩女「決まってるじゃないですか。あたしもこの人に惚れちゃったんです」

後輩女「だから……あなたから“奪う”ことしたの」

後輩女「魔女は惚れた男を誘惑し、体力を奪い、時には悪夢を見せ、徐々に徐々に衰弱させていく」

後輩女「先輩はいい人ですからね。実にやりやすかったですよ」クスクス

後輩女「魔女であり、本能的に機械が苦手なあたしにも、分かりやすくパソコンを教えてくれるほどに」

後輩女「後は……心を奪うだけ」

妻「やめて!」

後輩女「やめませんよ。この人はもうあたしのものです」

54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:59:11.038

みてるぞ
55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/12(月) 23:59:24.168

妻「だったら……!」ダッ

後輩女「いったでしょ。あたしは本物の魔女だって」

バリバリッ!

妻「あぐ、う……!」

見えない何かに縛られる。

後輩女「心と体を同時に縛る術です。もう動けませんよ」

妻「……あ、なた……」

後輩女「へえ、すごい。心が壊れてもいいかぐらいのつもりでかけたのに」

後輩女「魔女の真似っこしてるのは伊達じゃないみたい」

後輩女「だけどあたしにとって、あなたはしょせんコスプレ魔女に過ぎないってことです」

後輩女「さあて、いよいよ仕上げにかかりましょうか」

56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:03:35.786

後輩女「先輩……」

夫「…………」

後輩女「身も心も魂も、私のものになれ!」

ズボォッ!

右手が胸の中に埋め込まれる。

妻「あなたっ……!」

後輩女「あたしの細工で、この人の心にはあなたへの疑念が高まっているはず」ズブズブズブ…

後輩女「ほんの少しでも心があたしに向いてれば、もう逆らうことは不可能ッ!」

後輩女「アハハハーッ! 先輩、これからはあたしだけを見て下さいッ!」

57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:07:20.788

後輩女「あれ?」

ズブブブ…

後輩女「おかしい……心を奪えない。どうして!? 何が起きてんの!?」

心の中を探る。

『妻を愛してる』

後輩女「え?」

『妻を愛してる』

後輩女「なに? なんなのこれ?」

『   妻   を   愛   し   て   る   』

後輩女「いやぁぁぁぁぁ! 疑念が……ないッ!」

58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:10:21.038

バチィッ!

後輩女「ウソ……弾かれた……!」

妻「あなた……!」

夫「……んん」

後輩女「どうして……どうしてあたしの術が効かないの!」

夫「君の声は……ずっと聞こえてたよ」

後輩女「えっ!」

夫「君の術が効かなかった理由は一つ……俺は妻を愛してるからだ」

後輩女「!」

夫「君がどんな魔法を使おうと、妻に対する愛だけはどうすることもできない!」

59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:13:27.365

夫「だから……君の気持ちには応えられない。すまない」

後輩女「…………!」

夫「会社まで来てくれたのか」ヨロ…

妻「心配だったから……」

ギュッ…

抱きしめ合う夫婦。

後輩女(負けた……完敗だ)

後輩女(あたしが魔女としての力をフルに使って誘惑したのに、先輩はあたしに振り向かなかった)

後輩女(あの奥さんこそ、本当の魔女なのかもね)

60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:16:38.783

後輩女「すみませんでした、お二人とも」

後輩女「先輩、奪っていた体力はお返しします」パァァァ…

夫「あ……ありがとう」

夫「うおおおおっ! 元気が出てきた!」シャキーン

妻「まるで栄養ドリンクのCMみたい……」

後輩女「それじゃあたしはこれで失礼します」

夫「どこへ行くんだ?」

後輩女「あたしは……この会社を去ります」

後輩女「正体をカミングアウトしちゃいましたし、なによりあなた方の近くにいる資格はありません」

後輩女「もう二度と現れませんから安心して下さい」

夫「…………」

61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:19:36.722

妻「待って……」

後輩女「へ?」

妻「せっかく魔女に会えたのに……もう行ってしまうなんて寂しい。行かないで」

後輩女「ハァ? なにをいってんです? あたしはあなたの旦那を誘惑したんですよ」

後輩女「どこの世界にそんな女を許す人がいるんですか」

妻「だけど、もう反省したんでしょう……? ねえ、あなた……?」

夫「うん。その様子じゃ、魔女の力で悪さをしたのはこれが初めてだろうし……」

夫「それにせっかくパソコンが上達したじゃないか。このまま辞めるんじゃもったいない」

夫「ぜひ、会社に残って欲しい」

後輩女(なんなの……この夫婦!)

62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:22:39.577

妻「それに私は……ずっと魔女に憧れてたの」

妻「だからこそ……こうして魔女らしい格好をして、魔女らしい仕草をしてきたの」

妻「ぜひ、本物の魔女から勉強をしたい……」

後輩女「ですけど……」

夫「俺からもお願いするよ。妻の頼みを叶えてあげてくれ」

後輩女「は、はぁ……なら、辞めません」

妻「うふふふ……嬉しいわぁ」

後輩女「…………」ゾクッ

後輩女(って、本物の魔女であるあたしが気圧されてどうするの!)

63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:25:26.874

後輩女「一つ……聞きたいんですけど」

妻「なんでも聞いて」

後輩女「奥さん。あなたはなぜ、魔女の真似なんかを?」

妻「私ね、昔いじめを受けてたの……」

後輩女「え」

妻「『暗い』『気持ち悪い』って……。『キノコ栽培できそう』って胞子を振りかけられたこともあった……」

妻「だけどある日、『魔女』っていわれたことで、私は吹っ切れたの」

妻「いっそ、“魔女”になってやろうって……」

64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:29:11.709

『うふふふ……喰らいなさぁい。私の作ったこの“魔女液”を……』ドロッ

『や、やめろぉ! やめてくれぇ!』

妻「私は徹底的に“魔女”になりきって……いじめを撃退した」

妻「それ以来、魔女は私にとって憧れであり、私を救ってくれた象徴なの……」

夫「その後、俺たちは大学のサークルで知り合ったんだ」

夫「どっちが先に惚れたんだと聞かれたら、はっきりいって俺の一目惚れだったよ」

妻「こんなこといわれて嬉しいかは分からないけど……私は魔女のおかげで幸せになれたの」

後輩女「…………」

65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:31:16.804

後輩女「う……くぅぅ~……!」グスッ

夫「ど、どうしたの!?」

後輩女「あたし、感動しました!」

妻「感動……?」

後輩女「いじめを克服して、しかも魔女のことをそこまでよく思ってくれてるなんて!」

後輩女「ぜひ、お友達になって下さい!」

妻「嬉しいわ……ママ友ならぬ“マジョ友”になりましょう」

後輩女「はいっ!」

夫(よかったよかった……)

66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:34:17.036

―会社―

夫「…………」カタカタッ

夫「…………」ッターンッ

同僚「おお、すっかり元気を取り戻したな。エンターキーが快音響かせてるぜ」

夫「心配かけてすまない。もう大丈夫だ」

同僚「結局なんだったんだ?」

夫「きっと疲れてただけだよ。それなりにプレッシャーもかかってたからな」

同僚「精神的なものってやつか」

67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:37:13.343

―自宅―

後輩女「こんにちは、遊びに来ちゃいました!」

妻「いらっしゃい……」

後輩女「今日は魔女が実際に作ってた、薬品の調合をお教えします!」

妻「ありがとう……」

後輩女「これを飲ませれば、先輩ますます元気になって……特に夜なんかもう……」

妻「うふふふ……楽しみ」

夫(いったいどんな話をしてるんだろう)

68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:41:08.785

夫「彼女、元気になってくれてよかったよ」

妻「うん……本物の魔女なのに私より明るいくらいだもの」

夫「あんな事件を起こしたけど、素の彼女はとてもいい子だからね」

妻「きっと……魔女として色々と辛い目にあったんでしょうね」

夫「いい人を見つけて幸せになってくれるといいんだけど……」

妻「私、祈る……。彼女のために……」

夫「俺も手伝うよ」

怪しげな魔法陣を描き、怪しげな呪文を唱える夫婦であった。

69: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:44:18.309

……

……

夫「え、体調が悪い?」

妻「うん……」

夫「だったら俺もお世話になったお医者さんに行ったらどうかな」

妻「そうする……。場所を教えてくれる?」

70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:46:36.591

―病院―

医者「どうも、名医です」

妻(自分でいうんだ……)

医者「今日はどうされました?」

妻「近頃体調が優れなくて……」

医者「それはいけませんね。さっそく……精密検査しましょう!」

妻「お願いします」

医者「レッツ精密!」

妻(そこは『レッツ検査』じゃないの……?)

71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:49:41.215

―自宅―

夫「病院行ってきた? どうだった?」

妻「実は……」

少し頬を染める。

妻「私の体内に……新しい生命が宿ってるって」

夫「おめでとう!」

妻「ありがとう……あなた」

妻「お腹の中に私たちの子供が作り上げられてると思うと……笑みが止められない」ニッコリ

73: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:55:21.452

それから数ヶ月が経った休日――

夫「食器の片付けは俺がやるよ」ガチャガチャ

妻「ありがと……」

妻「うっ!」

夫「どうしたの?」

妻「う、ううっ……! お腹が……!」

夫「予定よりだいぶ早いな……すぐ病院に連れてくよ!」

74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 00:58:24.662

車を出すも、渋滞に巻き込まれてしまう。

夫「くそっ……! 全然進まない……!」

夫(しくじった……! 救急車を呼ぶべきだった……!)

夫「大丈夫!?」

妻「え、ええ……平気」

夫(顔が青ざめてる……まずい)

夫(このままじゃ、妻もお腹の中の子も――)

75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:00:23.487

すると――

キィィィィィン…

夫「ん?」

後輩女「せんぱーい!」

夫「――あ、あれは!?」

ホウキに乗って後輩女が飛んできた。

76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:03:24.545

後輩女「先輩!」スタッ

夫「ど、どうしたの……!?」

後輩女「約束したじゃないですか。先輩を守るって。奥さんを守ることも先輩を守ることです」

後輩女「奥さんの生命に乱れを感じたので、Myホウキで飛んできちゃいました!」

夫「魔女ってそんなこともできるんだ!」

後輩女「奥さんを乗せて下さい!」

夫「え、と……今苦しんでるから上手く乗れるかどうか……」

後輩女「それは大丈夫です。あたしが制御してるのでタクシーより快適です!」

夫「ありがとう!」

妻「ぜひ、乗せてもらうわ」ニッコリ

夫(苦しいはずなのに、ものすごく嬉しそうだ)

77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:04:34.975

魔女の救急車とは頼もしい
78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:06:51.302

―病院―

空を眺める医者。

医者「うーん、素晴らしい青空だ……。宇宙の果てまで見えちゃうような……」

医者「こういう日はなにか空から贈り物が降ってきたりして……」

医者「たとえば、空から女の子とか……。まさかな、アニメ映画じゃあるまいし」

医者「ん?」

ヒュゥゥゥゥゥ…

医者「な、なんだ!?」

――シュザァッ!

後輩女「子供が産まれそうなの! 早く出産させてあげて!」

医者「えええええ!?」

81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:12:47.452

やがて、夫も駆けつけ――

夫「頑張れ! 俺がついてる!」

妻「うん……心強いよ……。みるみるどす黒い力が湧いてくる……」

手を握り締める。

医者「名医として、無事出産させてみせる!」

後輩女「頼みましたよ!」

…………

……

82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:16:21.194

赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……!」

夫「産まれた……!」

妻「うふふふ……苦難と困難に満ちた世にようこそ……」

夫「実に君らしい祝福の言葉だね」

微笑み合う二人。

後輩女「やったーっ! 産まれたーっ!」

医者「元気な男の子です。これも名医である私の力あってこそ!」

後輩女「イェーイ!」

医者「イェーイ!」

パシッ!

なぜかハイタッチする二人。

85: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:28:19.314

赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……!」

妻「お腹がすいたみたい……」

妻「じゃあ……私の血液から作られたミルクを……飲ませてあげようかな。たっぷり飲んでね……」

夫「実に君らしい飲ませ方だね」

赤子「きゃっきゃっ」

―おわり―

86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:40:47.571

良かった
87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/04/13(火) 01:44:48.021


ちょいと怖いがいい奥さんだった

1001: 思考ちゃんねる

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引用元: https://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1618232509/

Source: mindhack
【感動】妻「浮気したら……呪うからね」夫「す、するわけないだろ!」