そうした動きが発生しやすいのは、市場の取引量が急減する米国時間の夕方から、日本時間の朝にかけて。昔から、薄暗くなる時間帯は「逢魔時(おうまがどき)」と呼ばれ、妖怪や魔物に遭遇するような不吉な時とされる。しばらく警戒が必要だ。
<夏休み対策のキャリー取引、トランプ砲で早速逆流>
今月1日。ほぼ想定通りだった米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げを終え、参加者が世界的な低金利下の夏枯れ対策として、金利収入を狙うキャリートレードを検討し始めた矢先だった。トランプ米大統領が、9月から中国製品に追加関税を課すと突然表明。売られ始めていた円に、一転して買いが集中した。
大統領の発言からわずか4営業日後の7日、ドルは105.50円と1月以来の安値を更新した。円キャリー取引に動き始めた向きが早々に損失確定の円買い戻しを迫られたこともあり、FOMC後につけた2カ月ぶり高値からの下げ幅は4円近くに達した。
市場心理を一段と悪化させた中国人民元の急落は、いったん落ち着きつつある。元は16年と18年には回避した1米ドル=7元台へついに下落したものの、その後の下げ幅が意外に限られていることで、市場では「中国は貿易戦争から通貨安戦争へ、戦火を拡大させる意思はないようだ」(外銀幹部)との見方が次第に広がってきた。
全面的な米中対立には至らない、との期待が高まるとともに、ドルは106円台へ小幅ながら値を回復。人民元が7元前半で下げ渋っていることで、円相場は小康を取り戻しつつあるように見える。
>>2 に続く
2019年8月9日 / 14:53
ロイター
https://jp.reuters.com/article/japan-yen-idJPKCN1UZ0F4
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Source: 投資チャンネル
円に瞬間急騰リスク、真夏の逢魔時に警戒