【建前】「キャッシュレス拝観」揺れる京都仏教界 「信教の自由」データ化される恐れ

1: 2019/04/18(木) 20:14:22.92 ID:p895VKhi9
「キャッシュレス拝観」揺れる京都仏教界 「信教の自由」データ化される恐れ
毎日新聞 2019年4月18日 19時54分(最終更新 4月18日 20時04分)
https://mainichi.jp/articles/20190418/k00/00m/040/211000c

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京都の寺社に先駆け、4月からキャッシュレス決済を導入した世界遺産・二条城。自動販売機にカードをかざして入場料を支払う=京都市中京区で2019年4月18日午前10時57分、中津川甫撮影

 政府が推進するキャッシュレス化を巡り、京都の仏教界が拝観料や物品購入などの支払いに電子決済を導入すべきかどうかで揺れている。
強く懸念されるのは、電子決済で企業が収集する個人情報の漏えいや商業利用だ。さらに個人の信仰が他者に筒抜けになり、特定の宗教が標的にされれば「憲法で保障された信教の自由が侵される恐れがある」(寺関係者)。一方、拝観料を収入の柱とする寺院の中には、現金を持たない参拝者からの収入減を懸念し、「導入しないと時代に遅れる」との声も強い。

 経済産業省によると、各国のキャッシュレス決済比率(2016年)は韓国96・4%▽中国65・8%▽米国46%▽日本19・8%。国内での普及の遅れから、政府は10月の消費増税に合わせ、電子マネーなどのキャッシュレス決済にポイント還元制度を導入。25年までに比率を4割にし、将来的に80%を目指す。

 政府方針などを受け、京都府内の約650カ寺が加わる「京都仏教会」(有馬頼底理事長)はキャッシュレス化の長所と短所を精査。年度内にも見解をまとめ、会員に示す方針だが、現時点では反対意見が多いという。

 同会によると、参拝者の個人情報の漏えいへの不安の他、「ビッグデータとして企業に商業利用される」「お布施という宗教行為である拝観料と、商行為との線引きがなくなる」との反発が強い。

 信教に関する情報が流出する恐れもあり、「宗教法および宗教経営研究所」(東京)の桜井国郎所長教授(71)は「宗教は弾圧されてきた歴史があり、信仰が権力に把握されることの危険性を国や社会に十分に理解してほしい」と訴える。

 一方、キャッシュレス化は支払いが簡潔で管理が正確になり、窓口業務の負担が減るなどの利点もある。観光客に人気の金閣寺や銀閣寺を擁する臨済宗相国寺派(大本山・相国寺)は独自に導入の是非を検討中だ。佐分宗順(さぶりそうじゅん)宗務総長(71)は「釈迦(しゃか)の時代は物でお布施をしていた。お金に変わった時も大転換だったはず。宗教の尊厳を守りつつ先手を打つことも必要だ」と話している。

 京都仏教会の長澤香静(こうじょう)事務局長(65)は「1年かけてキャッシュレス化を検討するが、最終的には各寺院で判断してもらう」としている。【中津川甫】


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Source: 投資チャンネル
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